昨年からの新型コロナが流行りだしてからテレワークになり、家にいる時間が多くなると同時に、通勤など日々の活動が少なくなったせいか、肩が痛いのが治らない。あと先週の夏休みでパソコン作業中の姿勢の悪さから、腰を痛めてしまっている。痛いという感覚にも色々あり、また、痛いということをどれぐらい痛いのか、どんな風に痛いのか言葉で表現できない。この痛いという感覚、今回は「痛覚のふしぎ:講談社、伊藤誠二著」を参考にして自分なりに整理してみる。(私は専門家でなく、自分の知識の整理で記載しているので、正確に理解したい場合はクリニックなどの専門のホームページを見てください

痛みとは?

痛いという感覚は、皮膚の痛点や臓器の圧迫や障害などから発生し、痛覚での信号が脳に伝えられて痛いということを感じることができる。ただ、脳で痛みを感じるということは単に外部からの刺激や内臓からの信号だけでなく、心理的なストレスや感情面などから感じるもの含めて、最終的に感覚的や情動的な不快な体験として痛みが表現される。図で整理すると以下のようになる。切り傷や捻挫などの痛い(侵害性)、神経系が圧迫されるなどの痛み(神経性)、ストレスからくる慢性的な痛み(心因性)など痛みの発生要因にも種類がある。医者に行っても痛みをうまく説明できないときが多いし、医者が原因を突き止めるのも難しいときもある。人の痛みを知りなさいとよく言われるけど、相当難しいものである。

人の感覚の種類と痛覚

今回いきなり痛みの話をしているが、人の感覚には色々な種類がある。五感だけでなく、体の状態を把握するためのセンサーがあちらこちらにはり巡らされている。特殊感覚と言われる個々の機能(眼、鼻、耳など)からのいわゆる五感。体性感覚は皮膚や筋肉、関節など全身の受容器からの刺激によって生じる感覚。あと便意や内臓の痛みなどの内臓感覚。下の図の赤字のところが痛覚になる。

痛みの伝わり方

受容器で検知した信号は脊髄を通って、そのまま脳(大脳皮質の一次体性感覚野)に伝達される。もともと痛みは危険を知らせる信号なので、緊急を要する信号とそうでない信号で伝達経路が分かれる。早く伝達しないといけない信号は太い神経を通り、遅くてもいい信号は細い神経を通って伝達される。そして大脳に信号が到達した時点で痛みを感じることができる。この痛みが大脳まで伝わる路を上行性疼痛伝導路系という。

このとき、ずっと痛いままだと大変なので、過剰な痛みを抑える働きがあり、脳から脊髄にノルアドレナリンとセロトニンを出して痛みをシャットダウンする経路があり、下行性疼痛抑制系という。下行性疼痛抑制系の抑制機能が悪くなることが痛みの慢性化に関わっていて、下行性疼痛抑制系の働きをよくすると痛みを抑えるらしい。この他にも子供のときに「痛いの痛いの飛んでいけ」と痛いところをさすったりしたが、内因性疼痛抑制系といってさすったことでブレーキをかけるらしく科学的な根拠があるとのこと。

痛みの種類

痛みにはすぐに消える一過性の痛み(角に足の指をぶつけるなど)、一定期間の急性痛(腹痛など)、3ヶ月以上の慢性痛がある。また、感覚から生じる身体的な痛み(感覚成分)と、情動から生じる心の痛み(感情成分)もある。感覚成分の痛みは痛みが長引くと、扁桃体や島皮質などの大脳辺縁系が活性化し、感覚成分だけでなく、感情成分が加わってくる。痛みが記憶されていくのである。

痛みの感じ方は精神状態によっても変わってくるし、年齢や性格、痛みの体験やこれまでの治療によって感じ方が違ってくる。また何かに注意を向けていると痛みを忘れることもある。痛みの信号は脳に伝わっても、脳の中の他の要素を受けて痛みの感じ方が変わってくるため、痛みが主観的なのはこういった理由からである。

まとめ

小学生のとき急性腹膜炎で入院したが、横のベッドで大人の人がものすごく痛くて弱音をはいていたこと(痛み行動)が記憶に残っている。あのときはなんと大げさなと思って小学生ながら聞いていたけど、痛みは主観的だし、その人にしか辛さはわからない。長期の痛みは人の幸福感に影響するが、それだけでなく認知機能の低下につながるということことも示されており、痛みの治療は認知症を減らすためにも重要になるらしい。今回は痛みがどういうものなのかを整理したが、痛みが記憶される仕組み、感情との結びつきについてもう少し深堀りしてみたい。

参考記事

https://zutsu-atoz.net/gtdg1sa6/
https://www.hokuto7.or.jp/hospital/post-5445/